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2009年10月31日土曜日

第29回臨床麻酔学会 in 浜松 (day 3)

9:00-10:00 臨床研究のデザイン より
tips
・リサーチクエスチョン(RQ)に対する答えを出すために
 しっかりした「設計図」を書く必要あり
・RQのリテラシー
・7つの御法度を「RQの作り方」の本を読んで復習
・臨床研究はFINER
Feasible, Interesting, Novel, Ethical, Relevant
・バイアスがある場合にはdiscussionで明確に記載する

10:00-12:00 
ICUでのanalgesia based sedation(ABS)のシンポジウム
・まず何よりも鎮痛から評価せよ
・hypnoticsは長期予後に影響する。なるべく最小限に。
・ABSは抜管までの時間を短縮する
・daily sedation interruption 1日1回
 午前中にhypnoticsを中断する。
 病態が落ち着いてなければ、ちょっと覚まして
 神経学的所見をみるだけでも。
・筋弛緩はVAPやCIM(critical illness myopathy)と関連。
 なるべく使わない(class 1B)
・もっともよく使われるのはRASS
 (Richmond agitation sedation scale)
 落ち着いていて呼べば簡単に目をあけるくらいの鎮静度にする。
 RASS -4
・SBT(spontaneous breathing trial ):いきなりT-ピースや
 CPAPにして2時間程度自発呼吸させる。OKなら抜管。
◎良好な覚醒のためには鎮痛は前提条件
・腸管抑制には①プリンペラン②大建中湯③エリスロマイシン
・DEXのみではABSは難しい。
  NPPVではよい適応かも。
  MDZから抜管前にスイッチ。
  アルコール離脱せん妄 など

13:30- 術中のカテコラミン投与を見直す
・血行動態改善 ≠ 予後改善  ではない
・カテコラミンの有用性は収縮不全でのみ認められる。
・βブロッカー(特にカルベジロール)はDOBの有効な
 反応を抑制する。PDE3阻害薬がbetterかも。
・DOAはNaの再吸収を抑制して尿量を増やすだけ。
 尿細管に良い影響を与えない。
・大手術時は必要なポイントで必要なだけカテコラミンを
 利用する。漫然と投与しない。

2009年10月30日金曜日

第29回臨床麻酔学会 in 浜松(day 2)

今日は6時半に朝食をとり、10時から自分の口演発表。口演は初めてだったため緊張してやや早口になってしまったが、いい経験になった。次回に生かそうと思う。

齋藤孝先生の講演を聴くことができたのは何よりも収穫であった。
・上虚下実(上半身をやわらか~くして臍下に力を入れる)
・上機嫌 意味もなく。年を取ればとるほど。
・男は40歳過ぎたら普通にしても不機嫌に見える
氏の体から出るオーラはまさに上機嫌であり、聴衆を一体化する力には敬服した。同じことを違う人間が語ったとしてもああはならないだろう。日本語は言葉自体に魂が宿っていると説明していたが、語り部が重要な要素であることは間違いない。

狭窄気道マネジメント

狭窄気道:声門下の狭窄

Tips
・自発呼吸可能でも陽圧換気できる保証なし
・上下大静脈や肺動静脈に注意。
 換気できても血流が途絶することで低酸素血症を引き起こすことがある
・最低でもどちらかの肺で換気できることを目標に。体位にも注意。
・画像からは換気困難の予測は困難
・補助循環の必要性を予測するのは困難。
  PCPSを装着すればよいというわけではない。
   flowによっては酸素化の悪い血が脳や心臓に流れることもある。
・麻酔導入後、酸素化が1回確立されても最後まで気を抜かない。
  腫瘍出血によって肺や血管が術中に虚脱することもある。
・術前問診では体位による呼吸困難感の変化、SpO2の推移、顔面浮腫の有無。

2009年10月29日木曜日

今思うことと昔思ったこと

研修医のころは「素晴らしい指導者がいなければ駄目だ」と思っていた。

今思うのは「自分の学ぶ意欲があればどこにいようと関係ない。またどんなに素晴らしい環境にいても、自分の意欲がなければ意味がない」ということ。

私は両方に恵まれていて大変幸せである。

第29回臨床麻酔学会 in 浜松(day 1)

浜松駅で下車したのは生まれて初めてだったが、とても駅ビルがきれいで嬉しい驚き(浜松在住の人には大変失礼で申し訳ありません。自分自身も秋田生まれなのでご容赦ください)。

 学会で勉強する機会が頂きたくて、それには自分が症例報告でも発表せねばと思い、抄録を6月に大急ぎで仕上げ、ありがたいことに採用していただき、このような機会を得ることができた。まずそれに感謝したい。ありがとうございます。

 今日感じたことは
・自分の実践を文字として残すことがいかに重要であるかということ
・先人たちの偉大な業績のもと、現在の我々の臨床の実践があるということ
である。

それにもまして感じたことは
・組織を強く成長させるためには、いかに「人ひとりひとり」が大事かということ
である。新人ひとりひとりの得意な領域を遺憾なく発揮できるよう、上の立場のものは考える必要があるし、上もまた研鑽を積む必要がある。私はまだまだ修業中の身であるが、それでも後進に何らかの指導をする必要はあるので、自分を引き締めることを改めて感じた次第である。

私の愛読書の一つにマルクス・アウレーリウスの「自省録」(岩波文庫、神谷美恵子訳)があるが、かの偉大な皇帝はこう記している。

いかなる行動をもでたらめにおこなうな。技術の完璧を保証する法則に従わずにはおこなうな。(第四巻、二)

advanced TEE

advancedになるためには以下の4項目が重要
・術後評価がしっかりできるように
・術前評価を見直す
・定量的評価ができる
・幅広い病態を評価できる

TEEを安全に使用するために
・ACC/AHA/ASE 2003 guidelineに準拠して、
 適応を自信を持って提示できるようにする

TEEの合併症を避けるために
 ・術前評価で嚥下困難、頚部病変、放射線治療、ステロイド歴、
  心拡大、左房拡大、大きな胸部大動脈瘤などの評価
 ・長時間のCPBは消化管出血のリスク
 ・TIS < 1 を維持。必要ないときは画面はfreezeに。
  特に低体温中は注意。
 ・食道裂孔ヘルニアは禁忌ではないが注意。
 ・経胃でupかけて…と思ったら実は食道内でもupかけながら
  動かしていた、などとならないよう愛護的に。
 ・TEE挿入時は十分なゼリー。
  左手でjaw lift(口に手を入れて十分持ちあげる)し、
  probe先端に思いを馳せながら。
 ・TEE抜去後はprobe先端に血液付着等の異常がなかったか
  麻酔記録に残す。

その他の知識の復習
・ASDは位置によって脱血管の位置などが異なるので注意。確認。
・VSDは傍膜様部近くは刺激伝導系が通る。
・大動脈解離。エントリーは必ず偽腔の上流。
  7割は上行大動脈前右側。
  弓部を観察するには0°のままupしていく。
  使っても軽くanteflexのみ。
・MR。全麻下では過小評価する。
  CPB前後での相対的な逆流量もチェック。
・大動脈二尖弁。AVR後も拡大することあり。
  小さなARでも手術適応のことあり。

lower-limb peripheral nerve blocks

臨床麻酔学会 sonociteのブースにてレッスンしていただいた。

Tips
・大腿神経ブロック(femoral nerve block: FNB)
・坐骨神経膝窩ブロック(sciatic nerve block: SNB)
の2つがマスターできればおおよそ事足りる。
TKAを行うときは太いSNB ⇒ FNB の順でブロックする。
・FNBのtips
・描出レベルは鼠径溝より少し上。しわより頭側。
 ・大腿動脈と腸腰筋の間
 ・よく見えなければ筋膜を2つ貫いて
 「筋膜と腸腰筋の間」に薬が広がればよい 
 ・あやしければ初めは少量の生食を使用
 ・コンパートメントが異なると「陰部神経の大腿枝」のみがブロックされる。
 そうなると大腿内側のみの感覚低下
 ・電気刺激を併用して大腿四頭筋の収縮を見てもよい
 ・入れる量は20ml程度。SNBと組み合わせる場合には総量に注意
 ・術後鎮痛は0.15%ropivacaineを5ml/h程度

・SNB膝窩のtips
 ・膝立て仰臥位でやる時はプローベが逆さまになるので、
  画面も上下反転できるものだとよい
 ・膝窩溝より5-10cm上方でよく見えるが、分枝するので
  上下によく観察してから。

・SNB殿下アプローチなどはもっと習熟してからでよいと感じた。

2009年10月28日水曜日

第6回JB-POTの動画問題覚え書き

試験時間は103分程度、30症例 設問は40問
私は英語で受験したために、そもそも問題を読み誤っていた可能性があります。ご了承下さい。

1.僧帽弁。ProlapseしているのはA1~P3のどれ?
2.ファロー四徴症
3.RWMAの場所、責任動脈
4.AVP後のperivalvelar leakageなど
5.全身空気塞栓の可能性が高そうな動画はどれか。5つの動画から
6.PACを進めている画像
7.心タンポナーデの場所、古いものか新しいものか、肝静脈波形は?
8.ASDの型(二次孔欠損かcoronary sinus型か、など)
9.VSD
10.TTEのview(どこからみているものなのか)と見えているアーチファクト
   (acoustic shadow, multiple reflectionとか)の組み合わせ
11.ARとAAEの妊婦、何の弁を使用するか、弁のサイズは?
   もしくはDavid手術?
12.CX吻合した後にPFOあり。肝静脈に空気の画像?
13.CAVD+PS診断
14.肝静脈にvenous canulaの画像。その対応は? ⇒ 深いから抜く
15.若年男性の上行大動脈CTにflapあり。TEEでは?
16.大動脈解離のLMT or RCA進展
17.TEEのモニタ設定をいろいろいじっている。(フィルタ、PRF、ゲイン他)
18.LVOTOの診断と治療
19.IABPの位置、LSCAに入っている動画と、いい位置の動画と。
20.人工物の位置と種類
21.ユースタキ弁、クマジン稜、分界稜、
22.IVCの腫瘍、IASにも。
23.OMIによるDCM様のTEE。Simpon法を行っている画像や
   MV逆流の画像など。LVEDP高そう?

受験から1ヶ月半経って、こうやって見直してみると合格ラインに達していなかったような気がしてきた。CHDに関しては普段見たことないからなぁ。筆記問題を通じてもCHDの比率が今回は少し高かった。
エコーの原理に関しては勉強していたとしても難問であった可能性がある問題が多かった印象を受けた。

2009年10月27日火曜日

全身の酸素化の問題

手術が終わり、ICUに搬送する際、麻酔科も同行するが、ICUで血圧が途端に低下することを目の当たりにしたことが何度かある。
「けっこうなプラスバランスなんですけどね」と、研修医がいうことがあるが、問題なのはバランスではなく「全身の酸素化がどの程度保たれているのか」ということだ。
酸素運搬量は心拍出量、動脈血酸素分圧、ヘモグロビン値で決まるだから、血圧の維持、肺の酸素化を改善するための呼吸条件の設定、貧血の是正ということになる。麻酔科医はそれを手術中を通して気を抜かずに行わなければならない。そのための動脈圧ラインであり、FloTrac/VigileoでありTEEである。何のために麻酔をやっているかという目標を常に意識する必要がある。

2009年10月26日月曜日

月曜日は憂鬱

そう感じる人は多いと思う。
私もその一人。
だが、研修医の麻酔の準備を確認し、学会の予演をし、麻酔導入をし、また別の麻酔導入・維持をし、また別の麻酔導入を研修医と共にし、会議に出席し、また麻酔の交代をし、抜管をし、挿管の指導をし、術前診察のチェックをし、と一日が終わるころには憂鬱な気分など吹き飛んでいて。
代わりに達成感が残る。

2009年10月25日日曜日

GUMBOときりたんぽ

GUMBOという料理をご存じだろうか。アフリカのアンゴラで話されているバントゥー語の方言でオクラを意味する「kingombo」がなまったものと言われているらしいが、アメリカのルイジアナ州、ニューオリンズでよく食べられている。先日ASAでニューオリンズを訪れた際にも何度か食したが、オクラのとろみとシーフード、チキンのスープが絶妙にマッチしており、塩味が効いていてとても美味しかった。

昨日近くのスーパーで見つけたものはその名も「GUMBO NOODLE」である。ASAに行っていなかったら素通りしていただろう。どんな味なのか気になり衝動買いしてしまった。
蓋を開けてみると
オクラが確かに入っている。
味は…期待通りというか期待通りではなかったというか至って普通であった。オクラが入ったカップヌードルである。このカップ麺からはニューオリンズは思い出せなそうである。オクラはその滑り気から納豆なんかと一緒で日本産だとすっかり思い込んでいたが、実はアフリカが原産らしい。日本に入ってきたのは明治時代だそうだ。

食べ物といえば今週末はインフルエンザ疑いで咽頭痛が続いていたので殆ど自宅で寝るだけの療養生活をしていた。
寒かったので、これをついに開ける時が来た。
きりたんぽはセリと舞茸、ゴボウが入っていなくてはならない。

2009年10月23日金曜日

みどりの窓口

JRの切符を買うとき、私はよく池袋駅の"えきねっと"端末を利用しているのだが、いつもいつでも空いていて数分で購入できる。端末操作もクレジットカードを入れて暗証番号を入力するだけと極めて簡単である。みどりの窓口で並んでいるのはどういう用件の人々なんだろう。

English words

validate: 確認、有効にする
vulnerable: 傷つきやすい
Fxn: functionの略
integrity: 完全、無欠
exacerbation: 悪化
hemostasis: 止血
denude: 奪う、裸にする
aggregation: 集合
labile: 不安定な
stepping-stone: 到達手段
nomenclature: 命名、名称
phlebotomy: 静脈切開
parturient: 分娩の
sublux: 亜脱臼
compensate: 埋め合わせ、補償
bariatrics: 肥満学
gluteal: 殿部の
gurney: 車輪のついた担架
judicious: 賢明な、思慮深い
baroreceptor: 圧受容器
conventional: 型にはまった
anecdotal: 逸話的な

2009年10月22日木曜日

outward(ASA day 5)

起きる。2時半。寝る。
3時半。また寝る。
4時半。起きる。
ホテルを出発するのは5時45分。
寝癖を直してホテルの1階でN先生と合流。
帰りの空港までのtaxiはとても綺麗で黒人の運転手さんも非常に紳士的であった。外はまだ暗い。空港に着いてから少しの買い物と朝食をとり、grammarの本を読んで過ごす。全然頭に入らないのですぐやめる。入国審査と打って変わって出国審査は非常にあっさりしていた。

ニューオリンズからダラスまでの飛行機はあっという間で特にトラブルはなし。トラブルはなかったのだが、ダラス空港で成田行きの飛行機搭乗の際に出国カードは?と聞かれ???となった。アメリカ人お姉さんは埒があかないと判断したのか日本人の担当者を呼び、「こっちに来るときに書いて持っているはずですよ、探して下さい。」とのこと。あなたの日本語はよくわかりますが、そのカードはもっていませんよ。
・・・。
あ~スーツケースの中にしまったっけ。
I forgot it in my suitcase.とか何とかと日本人相手になぜかしどろもどろの英語で説明するとその女性も半ば呆れ顔。再度新しい用紙に記入するよう言われ事なきを得ることができた。あ~次来るときはもっとましな状態で来ようと一人反省。

無事に機内に乗り込めたはよいが、殆ど眠れず。どこでもいつでも眠れるというのを自慢にしてきたが撤回しなければならない。なので行きで見れなかった映画にトライ。アメリカでCMしまくってた”My sister’s keeper”を見ることに。理由は単にCameron Diazのファンだから。それだけである。
しかし見始めたものの3分で中断。Cameronの吹き替えの声が思いっきり中年~高年女性のそれなのである。吹き替えを担当している声優さんが悪いと言っているのではない。私の中の”Cameron Diazの吹き替えの声のイメージ”にまるで合わなかったのである。残念。

代わりに…NINTENDO DSでゲーム。ゲームで英語のディクテーションをする→ すぐ飽きる → ノートパソコンを立ち上げ仕事のネタを書きとめる → 飽きる → 手帳にアイディアを書きとめる → 飽きる → DS の繰り返しで10時間消費する。残り3時間になった時点でもう一度映画にトライすることに。”Paul Blant: Mall Cop”というコメディ映画をみる。文字通りショッピングモールのちょっと体格のいい太った警備官が、惚れた女性のためにモール乗っ取り強盗団と孤軍奮闘するお話である。これまた映画の雰囲気が2009年のものとはとても思えず、子供の頃によく見たテレビ東京で放映していた80年代B-C級映画の雰囲気にたまらなく近いのである。映画の内容はベタだし、特にこれといったひねりはなかったが雰囲気だけでとても楽しめた。久しぶりにいい映画を見たと1人満足する。

そうこうしてフライトは特に問題なく終了。結局ダラスから成田まで13時間も乗っていたのに殆ど全覚醒状態であった。久しぶりの日本で税関が全員マスクで何故かとても違和感。成田エクスプレスの発車時間までかなり空いていたので、京成線の上野行き急行に乗り日暮里経由で帰ることに。家に着いたのは19時。ホテルを出て実に23時間後であった。本当にお疲れ様。そして無事に渡米させてくださった皆さんに感謝。ありがとうございます。

帰宅してから燃えるゴミをまとめたり夕食の食器洗いをしたり洗濯物を干したり、区営駐輪場に1週間放置しておいた愛車を見に行ったり。あっという間に10月21日が終わる。

明日からまた麻酔を精一杯頑張ろ。

2009年10月20日火曜日

last night in New Orleans(ASA day 4)

あっという間に4日目。
テレビをつけると予報では今日は華氏70/56なので21/13℃程度。Hurricane Rickがメキシコ西海岸よりに迫ってきており、これから数日後には荒天になりそうだ。テレビのCMはうつ病や尿失禁やOSAS(obstructive sleep apnea syndrome: 睡眠時無呼吸症候群)やらと病気の治療に関するものがやたらと目につく。

そして4時半に起きて何をしていたかというと。外に出ると人っ子一人いない。だが路面電車は動いている。Canal Streetはまだ明るいが、一本横に入ると非常に暗い…。しかしN Peters Street ⇒ Decatur Streetを歩いてゆく。ホテルから全部で15分くらい歩くとジャクソン広場Jackson squareの筈だが…。
ガイドブックにあるとおり「夜間は閉鎖」されていた。
英雄ジャクソンの像は拝めなかったがいつの日かの楽しみにとっておこう。

そして今日も7時過ぎに元気に通りを歩いて会場へ。昨日の午後より少し体調も改善したので、予定通りにリフレッシャーコースを受ける。以下の2コースを受けましたが、ともに勉強になった。
1. Perioperative Blood Pressure- A New Look At an Old Problem - Solomon Aronson
Aronson先生はこの道の大家のようで自分の論文も相当引用していた。
2. Anesthesia for Spine Surgery - Susan Black
特に2番目の講習の1項目に挙げられていたIOM(虚血性の眼障害)は復習になりました。どんな患者にIOMが起こりやすいか、と断定的には言えないが長時間手術、低血圧、大量輸液、輸血、などとの関係があるようだった。0.028-0.2%という頻度ではあるが、IOMは両目に起こり、なおかつ永久的な障害が多いことから術前のICが非常に重要であると改めて感じた。スライドに文字をいっぱい入れてくださると理解が進んでよい。
その後はMedically challenging casesのコーナーへ。今日は心臓麻酔、小児麻酔他の演題が多いようだった。
私の先輩にあたる先生が演題を出したとおっしゃっていたので見に行くことに。sevofluraneによるMHの一例報告だった。
・男児、家族歴なし
・投与から3時間、手術は殆ど終了という段階で発症。
・初発はETCO2上昇と頻脈。徐々に高熱に。ETCO2が100を超えていた。
他にも下肢動脈血栓症手術の術中の脳梗塞やら、骨盤骨折による大腿静脈DVTからの肺塞栓やら血栓・塞栓ものが目立った。本当に麻酔って恐ろしいですな。ポスターそれぞれの前にはauthorが立っていて、こちらがまじまじとポスターを読んで質問をするとみな情熱的に語ってくれる。麻酔の情熱は万国共通に違いない。

その後休むために一旦自室に戻り、午後は申し込んでおいた湿地帯ツアーにN先生、I先生と共に出かける。会場からバスに乗ること30分弱で大層な田舎に到着。田舎暮らしの私のは愛着が非常に持てる場所ではあったが、流石に住む気にはならない。長い長い沼地を30人ほどが乗れる船に乗って進む。この日は暑かったが、田舎に来たためか風のせいか船の上はとても過ごしやすかった。
船に乗り込み、しばらく進むとワニが。微動だにしないものもいて人形なのかロボットなのかはたまた生きているのか?といった感じだったが、スイスイと水の中を泳ぐものもいた。愛想良く見えなくもないが、万が一、水中に誰か転落でもしたらきっと噛みちぎりにくるに違いない。
16時頃には会場に戻り、明日早いことを考えて17時半には夕食。1日目に食べて美味しかった炭火焼きの牡蠣をいただく。デザートでいただいたバニラアイスはすごいボリュームで美味だったが、オーダーするときに「vanilla」がなかなか伝わらなくて悲しかった。
荷造りして23時に就寝。

2009年10月18日日曜日

New Orleans(ASA day 3)

14時間の時差をものともせず、今日も5時40分に起床。時差があるとは思えない程よく眠れた。

朝食もそこそこに今日は8:00からリフレッシャーコースを受ける予定だったので、徒歩で会場に向かう。今日も寒い。朝の予報では今日は19℃/11℃。陽は出ているが寒い。
ホテルを出てから7分歩くと会場の1番東端に着くのだが、東西にひたすら長いために、会場内をずんずんと直進する。目的の部屋は1番西の端なので結局ホテルから全部で15分くらいは歩いたのではないだろうか。やや体も温まってきた。

①New development in thoracic anesthesia – E.Cohen
貫禄充分のCohen先生の講演。昨日口演会場で聞いていた英語よりは理解できた気がした。
・Barotraumaの原因になるから12ml/kgはだめ。
6ml/kg + PEEPで高CO2血症を多少は容認する。
・DLT挿入必要患者の8-10%はdifficult airway
・側臥位中はTLVではQs/QT (肺内シャント率. 因みに正常値は<5%) = 10% だがOLVでは27.5%まで増加
・筋弛緩が効いた状態ではdependent lungの底側横隔膜の動きが悪くなり無気肺を作りやすい。
PEEPは大事だがそれだけではだめ。
・A&A 2008 106(2)379-383 DLTの適切なサイズ
・A&A 2009 108()1097-1101 DLT VS Blocker
・BJA 2009 102(4)551-560 OLV中の肺CT
・Anesthesiology 2009:110:1316-1326
OLV中の炎症反応はpropofol > sevofluraneとセボの方が小さい。
またOLV中にsevoを利用する一つの根拠が増えそうだ。

②TEE for the occasional cardiac anesthesiologist – Michael K. Cahalan
・JAMA 2009の論文では心外1200例ほどのうちPFOが17%にあった。PFOの閉鎖術をした例としなかった例でstrokeの頻度はむしろ閉鎖術をした方が高かった。これはいかに解釈すべき?
・基本的な断面は20のうち8つ①ME AO-SAX, ②ME-4C, ③-2C, ④ME LV-LAX, ⑤ME bicaval, ⑥ME IF-OF, ⑦TG LV-SAX  ⑧うーん、思い出せない。
をまずは描出できるように。
など基本に忠実な内容で復習になった。

③Anesthesic management of the morbidly obese parturient – B. Bucklin
・超肥満患者は絶飲食してても胃酸のpHが低下しておりLES(lower esophageal sphincter)の筋力が低下しているから誤嚥に要注意
・どんな麻酔法を取るかは術者とのコミュニケーションが重要
・気道確保困難グッズを手元にできる限り用意しておくこと
・硬膜外針は普通は9-10cm程度で大丈夫。あまり長いものは合併症が危険だから要注意
・硬膜外麻酔は坐位を考慮。Paramedianで行うと僅かな角度でも到達部位では相当角度がついている
・術後の低酸素血症にも要注意。モニターをチャットできるように。酸素か悪ければCPAPなどを考慮

昼食はRiverwarkまで歩く元気もあまりなかったので近くのfood courtで$3のFrench Friesのみで済ませてしまう。
余った時間は知識整理に充てる。

④Perioperative care of the patient with renal dysfunction: You can make a difference – R. Sladen
午後の最初。RIFLE criteriaの話から始まり、血圧・血管内容量が重要という結論はこれまでに学んだことの総復習といった内容だった。雑誌「Intensivist Vol.3」にも相当詳しく書いてあったので、その内容よりほほぉ!と思うような知見は得られなかった。少なくても自分の英語力では。

⑤Hematologic challenges in cardiothoracic and vascular surgery – L. Shore- Lesserson
新しい発見があることを期待して出てみたものの、HITの話が大半だったように感じた。他の部屋はどこも寒いのにも関らずこの部屋だけ暖房が効いており(しかも自分の席のすぐ近くから温まってきているようだった)、徐々に具合が悪くなってきたのもあり後半は集中できなかった。話の内容もやや高度で自分の理解を超えていた。やや傾眠傾向だったのを時差ボケのせいにしてみる。

⑥には行ったものの全身がだるくなってきたため直前で受講するのをやめる。空腹のせいか?と思ってハンバーガーとオレンジジュースを摂取してみたものの状況は著変なし。 むしろ悪化した。しばらく椅子に腰かけて休むもののだるさは一向に改善せず、Medically Challenging casesのブースに行ってN先生の発表を見に行く。

17時過ぎということもあるのか隣の機器展示場ではアルコールも配られ、演者の何人かはワインを片手におしゃべりに興じている。こんなラフな会はなかなか日本では見られない。アメリカでは普通なんだろうか?
Medically Challenging casesのブースの雰囲気はポスター発表会場と大して変わらなかった。発表者もアメリカからのものが殆どであった。この日の内容は神経ブロックと脳神経麻酔がメインだっただろうか。ロクロニウムのアナフィラキシー報告もあったし、propofol infusion syndromeの報告もあったから分類はよくわからない。もやもや病のSTA-MCA吻合術の麻酔管理の症例報告もあった。こっちでは稀なんだろう。他には「下肢の整形手術を全麻でやって、覚醒が悪く、実はPFOと心房中隔瘤を合併しており奇異性脳塞栓を発症してした」という自分なら遭遇したくない症例報告もあった。PFO。恐ろしい。先日受けたJB-POTでも似たような知識をあちこちで問われていたような気がしたのを思い出した。


ガスター、プリンペラン、ムコスタ、ロキソニンのpre-medicationを済ませ18時45分のHiltonからのバスに乗り込み15分程度行くと「The Elms」に到着。「Edewards Japan Night」に参加する。歴史を感じさせる味わい深い装いの洋館。ブッフェなので好きなだけ飲んだり食べたりできたのだが、肉と野菜を少々、ペンネ風のものとデザートのアイスをいただき、後はワイン2杯と珈琲という比較的軽めの内容で終了した。日本人麻酔科医が200人弱も集まっていると聞き驚き。
それにしても遠く異国の地で、こんなに近くでJazzの生演奏が聴けるというのは、とても幸せなことだ。Jazzの余韻に浸りながら21時半にはホテルに戻る。

明日の朝しかジャクソン広場に行く暇がない!24時に寝る。

2009年10月17日土曜日

New Orleans (ASA day 2)

眠れなかった割に5時過ぎには目が覚め6時半から朝食。
ホテル屋上階。窓越しに朝焼けのMississippi riverが眺望できる。

8時過ぎにはホテルの1階で学会参加登録して会場のconvention centerに向かう。歩いても近かったが、シャトルバスを利用。

会場の構造を一通り確認した後、”E-mail corner”があったのでパソコンに向かってまたメールチェック。
今日もインシデント報告はないようでひと安心である。
妻にメールを送る。


全く受ける予定ではなかったが、当日になった計3件のリフレッシャーコースを受講することに。
リフレッシャーコースごとに演者の採点をするのだが、印象的だったのは”Free of Commercial Bias?”の項目。
日本ではまず見かけない。
空調の影響かどの部屋もとても寒い。Yシャツの上にジャケットを羽織る。

①Anesthesia for patients with valvular heart disease for non-cardiac surgery – S. Konstadt
②Utility of TEE in non-cardiac surgery – S. Shernan
③Approach to the patient who may have a bleeding disorder – C. Petrovitch

日本でもなじみのある題目ではあるが、日本とは演者の迫力が違うような印象を持った。
特に②のDr. Shernanは話すことを心から楽しんでいると思わせる身振り、手振りである。私が英語を母国語としないせいなのか不明だが演者のpassionが伝わってくる時間であった。肝心の内容もエコー動画が大変多く、話も聞き取りやすかったように思う。

講演では術中の”life-threatening hemodynamic disturbance”に対するRescue ECHOはTEEの適応class 1であり、メリットとデメリットを考えて積極的に施行すべきということを盛んに強調していた。印象的だったのは30歳女性、肺塞栓+PFOのよる奇異性塞栓の動画。PFOを通過して右房から左房へ血栓が流れ出ていく画像もそうだが、その後心肺停止になり開胸心マしている動画を見たのは今日が初めて。
アメリカでは日本のJB-POTTERよりTEE専門医になるハードルが高い。NBEが求める150例/年のTEE経験っていうのは日本国内の施設ではなかなか達成できない。

残りの時間はポスターを見て回る。
日本人の先生方の発表も結構多い。
メンターのI先生のポスター発表を拝聴する。私にはchairmanのCohen先生の英語がよくわからず。 海外でのposter presentationには高い高いハードルがあることを改めて感じた。

学会会場を16時半には後にして、歩いて市街地の方に向かい夕食。
どれもおいしかったのだが、デザートのBread Puddingがアメリカナイズされた結構なボリューム。”パンとレーズンをバニラの香りのカスタードソースに浸してオーブンで焼き、ラム酒の甘いソースをかけて食べる”と聞いていたが、その通りの濃厚でこってりとした甘さ。ふた口分残してしまった。ごめんなさい。

フレンチクォーター界隈は街の至る所からジャズが流れてくる素敵な空間であった。しかし寒い。
ホテルに戻った後は絵葉書を購入し、フロントから出してもらうことに。
“I’d like to send this postcard to Japan.”と聞いたら”Yeah, How much??”と逆に値段を聞き返されてちょっとびっくり。
取り敢えずうろ覚えだった”90¢”と答えて切手を張ってもらったものの、ちゃんと日本に届くのだろうか。

この日は23時半に床に就く。

2009年10月16日金曜日

seat 43G(ASA day1)

Altitude 10363m(34000 feet)、Temperature -51℃、1046km/h、Pacific Ocean(東京から1272km)の機上で地点で書いている。 高度10000m上でWordを使用するのは人生初の体験である。 そして渡米するのも初めての経験である。 初渡米は英語力に多大な不安を抱えながらではあるが全く不安はない。

ちなみに私の英語力がどの程度かというと・・・
①”Would you like something to drink? ”と聞かれ、”Coffee please”とすんなり答えることができてうれしい。
そんなレベルである。
②Flight attendantの方が隣座席の人のカップを回収する時に手が滑って私の手に当たってしまった時には’I’m sorry.’と謝られたが、”All right. It’s OK.”とすぐ返すことができたのもうれしい。
そんなレベルである。
でもすぐに’All right ’と答えられたのは「英会話はキャッチボール」ということをそのエピソードの数分前に学んだからである。
成田空港の三省堂で購入した「ヘタでも通じる英会話術/晴山陽一/PHP新書」が早速功を奏していることを実感。滞在中に読みながら実践していこう。だんまりを決め込んだりしたらダメだ。
ともあれそんな28歳5年目麻酔科医がよくもまぁASA総会に行きたいなんて言ったもんだ。まぁ何とかなるだろう精神で行ってくることに。

時は遡り16時過ぎの成田空港。一緒に行くN先生と合流し、最後の日本食(折り寿司)・雑誌等を購入して出国手続きをした後、Duty free shopではお互いの時間をそれぞれ過ごす。私は、と私の妻も免税店のブランド物には興味がないのでぶらぶらして過ごす。無料でインターネットができるYahoo cafeを見つけたのでそこに入り、mailをチェックする。どうやらインシデント報告のメールはないようだ。妻にメールを出しておく。
再度New Orleansの天気を確認したところ、 好天のようである。ちなみに摂氏(℃) = (華氏 – 32 ) × 5/9 である。おおよそ華氏60度が15℃、86度で30℃である。
搭乗時間まではDSで「美文字トレーニング」をやって過ごす。3か月ぶりくらいにやるのですっかり下手になっている。「軍」の字がどうしてもうまく書けない。8画目の横棒を長めに書くのがポイントのようだがどうにもうまくいかない。うまくいかないのですぐにトレーニングを終了する。非常に飽きやすい。

20時20分頃にDinnerが配膳される。肉じゃが、ご飯、丸いパン、オーストラリアのバター、チーズ、グリーンサラダ(カレーピラフ様添え物つき。ドレッシングもあったが未使用)、寿司(稲荷寿司と蒸しエビ。キッコーマンの醤油付き)、ナビスコのクラッカー、タルト生地のクリームのデザート(キウイとブドウが乗っかっていた)、水(CRYSTAL GEYSER240ml)、その他に欲すればジュースももらえたようだった。味はまぁまぁ、可もなく不可もなくであった。 隣の推定100kgの白人男性がどのように寿司を食べるか気になったので横目でちらちらと観察していたら、フォークで思いっきり蒸しエビを串刺しにしていた。そうだよな。通路を挟んだ右隣の、これまた推定100kgの白人男性は手でつまみ上げて器用に食べていた。彼は日本で寿司を食べたのだろうか。ちなみに私は串刺しにして食べた。 買ってあった押し寿司パックが気になって仕方なかったので、機内食を食べ終わった後、間髪入れずそれに手をつけて完食した。やや無駄なカロリーとは思ったが、間をあけると余計に無駄になるので許容することとした。
トイレのために立ち上がって機内を後ろから見渡すと、多くの人が映画を見ているようだった。一番人気は「Transformer: the revenge」だっただろうか?1作目を劇場で観ており、いつか見ようと思っていた映画だったので、「よーしこれを機に字幕なし映画デビューするぞ~」と意気込んで見始めたがものの15分で挫折。日本語版にして続きを見たが、挫折。映画英語はスラングいっぱいだし初学者には難しいとは知っていたが、自分のあきらめの良さにちょっと感動。

よくよく考えてみると、今回の学会旅行は  

・初めてのアメリカをメンター付きで訪問できる 
・英会話の練習になる  
・英語講演のリスニングの練習になる  
・仕事に関する知識欲が満たされる
・一人で内省する時間をゆっくりと持てる  

といいことづくめである。こんな機会を与えてくれた職場の環境に大変感謝。
エコノミークラス席は確かに手台が隣席の人と共用になってしまうので窮屈ではある(現に左隣の手台は推定100kgの白人さんに完全に占領されている)が通路席に面していればそれほどの圧迫感はない。足もそこそこ延ばせるし、こういう時は小さめの体形でよかったなと思う。大柄な白人の方々を見ると確かにDVTが出来てもおかしくない。彼らの股関節の屈曲具合からも鼠径部の深部静脈あたりに血栓が出来そうである。今ここで肺塞栓を発症されても東京から3672km、 日付変更線の直上では救命する自信はない。mouth to mouthの人工呼吸すらできるか怪しい。
今は東京22時11分、この地点での時間は1時11分。アラスカのアンカレッジとハワイのホノルルと東京を頂点とした三角形の丁度真ん中あたりを飛んでいるようだ。映画鑑賞に挫折した私はi-PodでLady GAGAの「Paper Gangsta」を繰り返し聴く。何せアメリカに行くんだから。
その後東京時間の0時(バーガー生地にハムとチーズが挟まっており、マスタードチューブがおまけでついてくる。プラス、ココア味のバースナック)と4時(フルーツ)に食事が出てくる。食べたくないが、出てくると食べてしまうのは飛行機の中にいるから。なったことはないが養豚場のブタの気分である。

そういえば一昨日乳腺外科の手術室でレジデントの先生が硬膜外カテーテルを入れているところを見にいった時のこと。名札に”London”と書かれている学生を見て「お、これは英語を話すチャンス!」と思い、「She’s inserting an epidural catheter.」と話しかけたら 「向こうでの入れ方と違っていて面白いですね」と日本語で返されてしまい、がっくりした。よく見るとちょっと色黒な日本人学生さんだった。折角「catheter」の発音を「キャスィタ」と勇気を出して強調して言ったのだが。まぁそれは兎も角その学生が見学した施設ではloss of resistanceではやっていなかったそうだ。ではどうやるの?と聞いたところ靱帯を抜ける針先の感覚と髄液・血液の逆流が来ないことでやっていたとのこと。もしそうだとしたらその麻酔科医は相当な腕の持ち主である気がするが、靱帯を突く正中法の時はよいだろうが、傍正中法の時はどうするのだろうか?謎である。

そしてダラス空港に着いたのが、ほぼ予定通りの現地時間15時半。 入国審査で長蛇の列…。 他の便の到着も重なったのかとにかくここで1時間ほど並び、 乗り継ぎ時間の1時間25分があっという間に消耗された。 流石テロに脅える大国、生半可なことでは入国させてくれない。ASAに参加するであろう、紙ポスターを入れた筒を持ち歩いている人もちらほら見かける。 とにかく全部の指の指紋と顔写真を撮られ、入国審査を受けた後はN先生とともにダッシュダッシュ。 空港内を乗り継ぎ便に乗るためにシャトルに乗りこむ。15分くらい乗ったか。

とってもいい天気!とにかく空港が広い! そしてギリギリのところでスーツケースを再び預け、機内に乗り込む。他の大学の麻酔科の先生たちにもお会いする。 ニューオリンズ行きは17時予定の出発だったが、私たちの他にもギリギリになった人が何人かいたため、 17時10分頃の出発となった。 私は3列席の真ん中で屈強そうなアメリカ人に挟まれ小さくしていたが、離陸するのが早いかもう眠くて眠くてそのまま落ちることに。 んで目が覚めたらニューオリンズ国際空港に到着。 おぉ流石ジャズの街。 ルイ・アームストロングが歓迎している。
Baggage Claimsでスーツケースと無事に対面し、タクシー乗り場からHilton New Orleans Riversideに向かう。 空港からホテルまでは30分ちょっと。タクシーの運転手さんは相当飛ばしている。 ホテルに着いたのは現地時間で19時半過ぎ。日本時間だと10月17日土曜の午前9時半か。 この時点で金曜日を33時間半過ごしている感覚。よく分からないが、まだそこそこ元気である。飛行機に乗る前のプリンペラン5mgとガスター10mgが効いたためか消化器症状はなし。チェックインしてdinnerへと向かう。
入ったのはDrago’s seafoodというお店。本店は郊外の人気店らしいが、宿泊したホテルに支店があった。 凄く混んでおり数十分待ったが、待った甲斐があった。
まずはAMBER BEER。アルコールに弱い私でも大変飲みやすいお味。お代わりする。 真ん中にあるやや大きいのがCatfish(なまず)のフライ。やや臭みはあったが、非常に食べやすい味だった。
海老や牡蠣フライ、French Friesは日本のものと著変なし。
そしてメインがこちら。
Charbroiled Oyster(牡蠣の炭火焼き)である。(注:写真左上の指は、緑色手袋がトレードマークの尊敬する大先生のもの)
これがとっても美味。塩味が強かったが、塩と炭火とで芳醇な香り。御飯があったら何杯でもいけそうである。
オーダーを取りに来てくれた人はウズベキスタンから3年前にニューオリンズに来たというイケメン(写真がなくて申し訳ない)。日本にも一度来たことがあるとかで映画「おしん」が好きだと言っていた。
夕食のあとは自分の部屋でインターネットにつなごうと格闘したがどうにも無理で小一時間ほど消耗した後に諦めることとした。
25時過ぎにようやく就寝。

2009年10月14日水曜日

自転車にまつわる諸問題

今日は自転車で通勤路を往復した。
何回か往復して気づいたのだが、要する時間というのはがむしゃらに漕ぐ時間がどれくらい長いか、ではなく赤信号にどれくらい引っかかって待たされるか、の時間によるようである。
車道の一番端っこを車にひかれないように注意しながら走るのも割と大変なことである。
もう一つ気づいたことは英語のshadowingなんかできない、ということである。
電車通勤で独り言をぶつぶつ言うのは極めて困難なので、自転車通勤ならば可能では、と思い何度か試したが、無理である。大抵息が上がっている。ましてや上り坂では不可能。そして自動車の騒音がうるさくて音が聞き取れないのである。ノイズキャンセリングイヤホンを使ってもいいのだろうが、そうなると今度は車の音が全く聞こえなくなるだろうし、怖くて使えない。多発外傷の危険性が上昇する。困った。

2009年10月13日火曜日

bicycle③

今日は復路。
私の自転車の空気は最低でも1/月は入れた方がいいらしい。
助言してくれた自転車屋さんに感謝。

しかし透析+OMIの人の麻酔は難しい。
腹臥位中にVFになったらどうしようか悩んだ1日だった。

2009年10月10日土曜日

大きな一日

家族に関することというのは繊細に取り扱わないといけないような事項だが、人生30年弱にしてまた新しい認知が得られるということ自体、貴重な経験であろう。感謝。

2009年10月4日日曜日

Izu trip

城ヶ崎海岸の景色が素晴らしかったことは改めて言う必要もないほどであるが、ダークホース的な存在感を放っていたのはこちらである。

どんな世界にもその道を究めようとする人がいる。

万華鏡の奥深さのはじっこだけでもかじることができたのは、この旅行の収穫であろう。