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2009年12月19日土曜日

腕神経叢ブロック(鎖骨下アプローチ)

今週の木曜日、橈骨遠位端変形治癒骨折後の整復術に対して上記麻酔を行なう機会をいただいた。
数冊の教科書での予習とイメージトレーニングの反復、エコープローベを事前に実際にあてて神経の見え方を確認して当日に臨んだ。指導医がいるとはいえ、患者さんにブロックを施行するのは、施行させてもらえるのは自分なので、決して適当にはできない。前の晩はちょっと興奮して緊張してなかなか眠れなかった。
50分ほどかけてブロック施行に必要な針、薬剤、その他を手術部内をうろうろとまわって準備する。朝イチ8時40分の入室。首尾よく静脈路を確保し、フェンタニルとミダゾラムを少量使用した後にエコーで神経叢をプレスキャンする。幸いほっそりとした体格の方だったので、想定通りに腋窩動脈が見え、周りに3本の神経束を同定。思いの他順調にブロックを施行できた。エコーガイド下神経ブロックはエコープローベを左手で把持しながらエコーモニターを見つつブロック針を進めていく、という操作を行うわけだが、これがなかなか難しい。エコーで見えている画面上で見えるよう針を進めていくので慣れが必要である。
 今回は術後鎮痛のためにカテーテル挿入が必要だった。手術部位が橈骨ということで後神経束近傍にカテーテルを留置した。カテーテルの視認性がエコー上思わしくなかったので薬剤を注入して正確な位置にあることを確認した。

 IP合併や重症筋無力症の胸部手術で難しい症例があったり、心外手術のオンコールに対応して病院に泊まったり、インシデントレポートが数件あがったりと結構忙しい週だった。一つ一つのピンチに真摯に対応することで少しずつレベルアップしていくと信じて頑張りたい。