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2010年5月5日水曜日

残念な人の思考法 ― 山崎将志


本書による「残念な人」の定義は「ちゃんと学校を出て、入社試験もクリア、役に立つ資格も持っている。そしてやる気も十分あり、夜遅くまで懸命に働いている。しかし、結果が出ない人」のことのようである。「結果が出ない ≒ 患者に対して当然避けうるべき合併症を起こす」の図式にすると、明日には私も残念な人に転落である。麻酔にはそのような落とし穴が無数にある。ドラゴンクエスト2の「ロンダルキアへの洞窟」など目じゃない(言い過ぎか)。
本書の読者は恐らくビジネスパーソンなので、全部を自分のいる環境に当てはめるのは無為不毛な作業だが、使える部分はたくさんある。それこそ「関心」があれば。

・一般的に、家族、趣味、夢は、仕事が上手くいってこそ得られるサブセット(p6)
・部下に仕事を頼むとき、受け手にとって少なくとも2割は創意工夫の余地があるように、できれば5割くらいは新しいスキルが身につくように依頼するのがマネジメントが留意するべき、人材育成と業績のバランスをとった仕事の頼み方(p10)
・一日が終わって「疲れた」状態になることを仕事が充実していると勘違いしてはいけない(p10)
・人生は下りのエスカレーターを逆送しているようなものだ、と考えることがある。ただ立っているだけではどんどん下に行ってしまう。普通に歩いてやっと現状維持。(p19)
・使えないシステムの陰に使えない人間がいる(p31)
・お金を持っていたら馬鹿馬鹿しくてやらないことは、やらなくていいこと。他人に対する仕返しのような行動は、自分の品格を損ねる結果になる(p133)
・転職して成功するためには、今成功していないとダメ。日本中いくら探しても自分にあう仕事なんか見つからない(p170)
・専門性を高めるのは確かに必要だが、それに固執すると後が厳しい。スキルだけで競っているといつか年下に負けるときが必ず来る。どこかのタイミングで、エンプロイアビリティ(雇用されうる能力)とは関係ないところを習得しなければならない。(p176-7)
・行動の変革を考えるにあたっては以下をなぞってみる(p204)
 ・具体的である
 ・測定可能である
 ・納得している
 ・実現可能である
 ・今やるべきことである、または期限がある
・「好き」の反対は「無関心」である(p205)

楽しい人生を過ごすためにはネガティブ思考よりプラス思考の方がよいと思うが、そういう二元論的なものの見方がそもそも問題かもしれない、とぼんやり考えた。素直な心が大事なのだ。
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今日学んだこと
・できない約束はしない
・約束は適当にしない
・約束をした場合には期限を決める