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2010年7月3日土曜日

郡山でDIR EN GREYのUROBOLOS(DVD)に思う

自分の足で走るために新幹線に乗り、1泊しに郡山までやってきた。
自分独りでは「疲れたから途中でやめよう」としてしまう走るという行為を、ロードレースという決められた距離と時間の枠に嵌め込む事によってやり遂げたいからかもしれない。

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郡山で炭水化物を大量に摂取しながら、ライブDVDを見ている。
イギリスのロック雑誌「Kerrang!」の表紙も飾るほど海外での人気も評価も高いDIR EN GREY が2010年1月に日本武道館で行ったライブ―その2日間を収めた「UROBOLOS」である。
ビジュアル系バンドの枠で括られていた頃の曲と最近の楽曲を聴き比べると「本当に同じバンド?」と思う位の進化、深化を遂げていることに気づく。アニメ版「浦安鉄筋家族」の主題歌だった「I'll」を歌っていた頃は「黒夢」を意識していたであろうが、ここまで変わるものか。昔の楽曲にみられた歌謡曲ばりのクサい歌メロは「CONCEIVED SORROW」に代表される絶望系バラード曲や「RED SOIL」の曲の中に垣間見られ相変わらず健在ではあるが、楽器隊の演奏力、ヴォーカルの京の表現の幅が格段に上昇しており、1曲1曲の完成度が異様に高い。1曲1曲に表情があり、音そのものに物語がある。歌詞、にではなく音そのものに、だ。ヴォーカルの成長は本当に感動的で、曲の中でのグロウル(デス声で低音の塊のような声を出す歌い方)の使い方が本当に上手い。と思えばCradle of FilthのDaniのような金切り声での高音シャウトもマジである。バンド史上最高にプログレッシブな「Vinushka」は現在一番気に入っている曲。歌謡曲の哀愁と、デスメタルの衝動と、ブラックメタルの狂気が全て入ったまさに「全部いり」な9分超の名曲である。

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慣れない産科麻酔の、慣れない英語論文作成を本格的に再開しはじめた。なぜか。得られるであろう達成感のためにであろう。