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2010年8月7日土曜日

少年メリケンサック☆☆☆☆

パンクはよく分からない。2705曲(今日現在)入っているiPodにも、それにカテゴライズされるバンドの曲が1曲もない。だが音楽を題材にする映画には興味があったのであった。というより宮崎あおいが出演しているから見た、と言った方が正しい。
肝心の映画の中身だが、徹頭徹尾くだらなかった(この映画にはこの表現が一番の褒め言葉だと思う)。くだらなさに拘っているところに愛情が感じられる映画。パンクが好きじゃなくても、パンクがなんだか分らなくても楽しめる。ナンセンスなギャグの連発。大して期待していなかった分、非常に楽しめた。
と思ったのだが、ネット上の評価は賛否両論のようだ。曰く「下品、脚本が酷い、俳優がもったいない、ギャグが滑ってばかり、これで2時間は辛い」等々。同じものを見ているにも関わらず、感じ方が人それぞれなのを拝見するのは非常に興味深い。
しかし否定派の人たちも125分の上映時間をしっかり見ているところがすごい。中には映画館に足を運び、その上でDVDも見ている人もいるのだ。その労力に感動すら覚える。そこまでして、この映画のここがダメ、あそこがダメ、だから評価は☆1つ、むしろ☆1つもあげたくない、と主張しているのだ。牛糞やゲロがこの映画の下品さの根拠だとして、私がそれらに耐えられないとしたら、私ならば2回も見ないし、ましてや最後まで見ないであろう。
そうまでして否定する、否定論者の意図が私にはよく分からない。宮藤官九郎監督のファンだったり出演者の佐藤浩市や木村祐一のファンだったりする人々が、彼らへの愛が作品の凡庸さに裏切られ半ばストーカー的な恨みにより行った否定なのだろうか。それならば解し易いが、2回以上見て☆ゼロの評価は本当に☆ゼロなんだろう。そのような人たちに私は安易な批判をしない。彼らは真剣なんだろうから。

映画本編も有意義な時間だったが、真偽は不明ながらも映画に対する他人の意見に触れたことは非常にためになった。