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2011年2月4日金曜日

(本) 40歳からの知的生産術 ― 谷岡一郎

4月からお世話になる予定の病院に見学に行く。電車で片道1時間半。
見学に行った後に大学に戻ったりしていたら、結局今日一日で4時間くらい電車に乗っていました。
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本書の歯に衣着せぬ物言いに対峙した時に、拒絶感を強く感じる人がいる気がします。本書で取り上げられている「ダメなものの例」が、一般社会の卑近な例(誰に対しても身近と考えられる)のため、大いに共感するところも多々ありました(共感するだけでは知性が育たないと著者には言われるでしょうが)。それらの俗世に対する意見が、愚痴や悪口に留まっていないように感じるのは、「著者の言葉の遣い方が慎重だから」ではないかと感じます。その筆跡は乱暴な意見のようでいて、非常に注意深い印象を受けました。

・ですから脳の体力・持久力を鍛えることを、僕はずっと意識してきました。具体的には、日本棋院での対局を終えて家に帰ってきた後、疲労困憊の状態でさらに、インターネットなどで早碁を打つのです。それも一局や二局ではなく、寝てしまうくらい疲れきるまでです。疲れに任せて漠然と打つのではなく、脳が疲労しきっていても、さらにもう一段階上の集中力を発揮して、それなりにレベルの高い内容の碁を打たなければなりません。(中略)普段から「疲れきった脳に最後の一仕事をさせる訓練」を積んでおかなければならないのです。(p59-60 張栩『勝利は10%から積み上げる』朝日新聞出版、2010年)
・とにかく「放っておいてはならないこと」は先送りしてはならない。たとえ今、余分に時間を使うことになろうとも、ボトム・ラインの哲学を成し遂げることは、優先させなくてはならない。(p76)
・「自分で考える時間を確保するために、情報をカットする時間をあえて作る」 (p162)

タイトルを見ただけで、39歳以下の人は手に取らないのかもしれませんが、書かれている内容はむしろ若い人たち向けです。そして、そのような、年齢的に、熟年者よりも相対的に可塑性がある人たちが読む方が、日本の将来にはよい影響を与えると、私は感じました。