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2011年2月1日火曜日

(音) Stratovarius の ELYSIUM (2011年)

いくら英語の過去問を解いても知らない単語は出てくるし、知らない話題は出てくるし、無限回廊のようです。ですが、こんなフレーズに試験問題とはいえ遭遇すると何とも言えない気持ちになります。


They are chronically hungry, unable to get health care, lack safe drinking water and sanitation, cannot afford education for their children and perhaps lack rudimentary shelter and basic articles of clothing, like shoes.


***
私にとって、バンドの新譜を聴いてがっかりするのは、
「そのバンドに無意識のうちに求めている、過去の名曲と似て非なるいい曲」
に新譜の中で出会えなかったときです。


「Stratovariusと私」の約13年間の歴史においては、9作目「Elements Pt.1」(2003年)がそうだったため酷く落胆してしまい、暫くStratovariusから遠ざかっていたのです。
恐らく、8作目の「Infinite」(2000年)が結構なお気に入りだったためでもあるわけですが。「Infinite」収録の「Infinity」が映画「スパイ・ゾルゲ」(2003年)のCMで頻繁にオンエアされていたのが気になり、映画館に見に行ってしまったくらいです(映画本編では全く使われておらず、これまた酷く落胆してしまいましたが)。


この新作は前作「Polaris」同様、タイトル通りの美麗なアートワーク。
ちなみに「Elysium / ilí(ː)ʒiəm」は
1.《ギリシャ神話》エリュシオン(善人が死後に住む至福の地)
2.理想郷
という意味のようです。

そして本作は内容も美麗なものになっています。

「EPISODE」や「VISIONS」といった彼らのクラシックスに及ばないと切り捨てるのは簡単ですが、本作からは、新しい何かがこれからの彼らに生まれるような、そんな爽快感を封じ込めた1枚のように感じられます。
典型的なスピードメタル「Infernal Maze」「Event Horizon」、「Castaway」、彼ら自身が確立したスタイルで安心できる大仰かつシンフォニックなスロー曲「Fairness Justified」や「Lifetime in a Moment」等、往年のファンでも楽しめるつくりになっています。
#9の長尺「Elysium」((18分07秒)は間違いなく本作のハイライト。5分~と11分~で曲調が大きく変化するため、1曲が3つのパートに分かれています。一聴するだけでスペクタクル映画を1本見終えたような満足感が得られる佳作に仕上がっています。

とはいうもののボーナストラック的に収録されている「Against the Wind」や「Black Diamond」を聴いてしまうと、「あぁ、やっぱり昔の曲はいいなぁ」と思ってしまう自分もいます。